朝、目を覚まして立ち上がろうと思ったら“くらっ”とめまいがして手をついた・・・なんて経験が皆さんはありますか?命にかかわることではないし時間が経てば治るので、ついつい放置してしまいがちですよね。しかし、その“めまい”は身体からの大事なサインかもしれません。
そこで今回は、色々なタイプのめまいと、その原因についてお話したいと思います。
一般的に“めまい”の原因の7割は内耳の異常にあるといわれています。しかし、脳に異常がある場合や自律神経やホルモンの乱れなどからめまいが起こるケースもあり、自分で判断することは危険です。なぜなら“めまい”の激しさと病気の重大さとは必ずしも一致しないからです。
症状が激しいからといって重大な病気が潜んでいるとは限らない代わりに、ふらつくだけの軽い“めまい”が、くも膜下出血の前兆ということもあります。“めまい”には大きく分けて3つのタイプがあります。症状があらわれたときに慌てることがないように、原因と対処法を知っておきましょう。
①ぐるぐる回る回転性(天井などがぐるぐる回る)
【原因】多くは、内耳にあって体のバランスを保つ働きをする三半規管のトラブルによって起こります。大半は「良性発作性頭位めまい症」といって症状は激しいが安静にすれば比較的すぐに治まります。激しい回転性のめまいに加えて、耳鳴り・難聴などがあった場合にはメニエール病の可能性があります。
【対処法】耳鼻咽喉科やめまいの専門外来を受診しましょう。そして過度のストレスや過労は避けてください。
②ふわふわ浮いている感じ(体がゆれて足が地に着かない感じ)
【原因】脳の中で体のバランスを保つ働きをする小脳の出血や腫瘍によって起こります。また、脳梗塞や脳出血の前兆である可能性もあるため注意が必要です。心因性の場合もあるので、早めに受診しましょう。
【対処法】激しい頭痛や手足のしびれ、ろれつがまわらないなどの症状があるときは、すぐに救急車を手配し神経内科や脳神経外科を受診してください。
③くらっとする立ちくらみ(目の前が一瞬暗くなる)
【原因】急に立ち上がったときなど、脳の血流(酸素)量の調整が間に合わず不足することで起こります。血流量を調整している自律神経の働きが低下していたり、貧血や低血圧などで脳の血流量の少ない人が発症しやすいと考えられています。
【対処法】疲れをためないように休養と睡眠を十分とることが大切です。疲れているときは、立ち上がる動作などをゆっくり行うよう心がけましょう。
思い当たるタイプの症状はありましたか?“めまい”を防ぐにはストレスをため込まない、気にしすぎない、睡眠を十分とって疲れをためないことが必要です。適度な運動は血行や代謝をよくし内耳の状態をよくすることにつながります。ウオーキングなど適度の運動を積極的に行いましょう。
また、突然めまいが起こった場合あわてて動こうとすると転んでケガをする危険があります。まずは落ち着いて、できるだけ楽な姿勢をとって安静にしましょう。多くの場合、安静にしていると症状が落ち着いてきます。
症状が落ち着いてから、何をしているときに、どのような“めまい”が起こったのか、などを頭で整理して病院へ相談しましょう。