関節痛とは私達の体を動かす要「関節」におこる痛みです。たとえば 熱があるとき、からだの節々が痛む。風邪を引いた時に現われる関節の痛みを関節痛といいます。骨と骨のつなぎ目である関節。この関節は「関節包」という袋に覆われています。
この関節包は「滑膜」と言う膜で出来ていてここから「滑液」という関節を滑らかに動かすための潤滑油が出ています。この「滑膜」と「滑液」の働きによって関節はスムーズに動くことができるのです。また、日常生活で関節痛を感じている人は 腰が約90%、ひざが約80%となり、日本人のほとんどが関節痛の痛みを感じていることになります。
そんなに多くの人が関節の痛みを感じていたなんて!
関節痛は、動かした時にでる痛みをかんじる場合と、動かさない時にも痛みを感じる場合の大きく分けて2種類あります。関節は、スムーズに動くために構造上、複雑な構造からできています。その一つが骨と骨の間にある関節軟骨で、関節を動かした時の痛みの原因はここにあるのです。
体の組織を形作る栄養は血管を通して送られますから、関節軟骨は修復や再生がほとんどされないとても弱い器官だと考えてもいいでしょう。そのため関節軟骨には老化の影響が大きく、年をとるにつれて関節軟骨は大きく変化していくのです。長年に渡って関節が使われ、骨がぶつかり合うことで軟骨がすりへっていき、クッションが古くなり弾力もなくなります。
関節痛は一般的にまず、関節に異常をおこし炎症を引き起こす物質である関節腔(かんせつこう)が侵入を果たします。じつはこの侵入者(物質)の正体はまだはっきりとは みとめられていません。体の防衛を任務とする白血球は、滑膜にはりめぐらされている細い血管から滑膜に展開して、そこで侵入者との戦いを始めます。白血球が飛び出しやすいように滑膜にはすき間ができますが、すき間ができることで滑膜はもろい状態にもなります。
滑膜の血管から飛び出してきた白血球は統率がとれていません。その上、あとからあとから白血球が飛び出してきます。どんどんその数も増えるのに統率がまったくとれない白血球が暴走を始めます。秩序が失われて暴走し始めた白血球は滑膜のいたるところで自分の体の組織を攻撃しだします。
白血球は自分のカラダを守ってくれる良いものだと思っていたのに・・・
自分の体を守るはずの白血球に攻撃されて、滑膜は腫れ上がりブヨブヨとした浮腫状に変化してきます。こんな状態では関節腔の水はけが悪くなって関節液がたまるようになります。これが関節に水がたまると言われる状態です。やがて関節そのものが腫れて紡錘形に変化してきます。
さらに進行すると、滑膜に肉芽(にくが)が形成されます。肉芽は白血球のかたまりともいうべきもので、軟骨におおいかぶさるような状態になります。このように肉芽が軟骨をおおうようになった膜状のものをパンヌスと呼ばれます。肉芽やパンヌスの中には「新生血管」をつくるさきがけとなる、誘因物質の「血管新生促進因子」がいっぱい詰まっています。そして、肉芽やパンヌスは軟骨に「新生血管」をつくる一大基地と化すのです。
パンヌスに覆われた軟骨を直接破壊するのがコラーゲン分解酵素のMMPです。破壊されてボロボロになった軟骨は薄くなっていきます。さらに進行すると軟骨が完全になくなることもあります。この状態まですすむと 関節のかみ合わせが悪くなり、関節がずれたり変形したりしてきます。関節が変形してくると、曲がったほうにより力が加わるため変形は さらに進行していってしまうのです。
奥アマゾンの先住民たちは、痛みの原因や病名などもわからない時代からずっと リウマチや関節痛の特効薬としてキャッツクローを利用していました。身体の関節が炎症を起こし痛むとき、キャッツクローの根や樹皮を煎じて飲めば、症状がしだいに消えていくことをインディオたちは経験的に知っていました。
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