■リウマチの症状


日常生活の中での「はれ」と「こわばり」は、リウマチの初期のシグナルとして注意が必要です。
「はれ」は、初め指の関節に出ることが圧倒的多くなっています。

特に指先から数えて2つ目の第2関節と、つけ根の第3関節に起こります。
「こわばり」は特に、朝、起き上がるときのあらわれます。「朝のこわばり」は、関節リウマチの代表的な症状の一つです。
朝、体がこわばるのは、炎症によって、眠っている間に体液がたまり、むくむため、と考えられます。
長い人で1時間以上、短い人では数分、こわばりがつづきます。
関節リウマチのはれや痛みは、初期は、常に持続するわけではなく、よくなったり悪くなったりしながら、じわじわと進むのが、大多数のケースです。

関節リウマチの痛みは精神的疲労、湿気、寒さ、 気圧の低下などの影響を受けると悪くなります。
また、天候がくずれる前には、痛みやこわばりが強くなることが多いようです。
また、関節リウマチの初期は、急に熱が出て、かぜとまちがえることがあります。
発熱は37度前後の微熱で、悪寒を伴う高熱になることはありません。
また、ふつのかぜと違って、全身のふしぶしが痛み、体を動かすのが不自由になるというのも特徴です。
関節リウマチは、“免疫”のシステムにおいて、自分の体の一部が自分を攻撃してしまう状態、すなわち“自己免疫”が関係しています。
自己免疫が起きる原因には、その一つとして、細菌やウイルスなどの感染が関わっているようです。

また、慢性関節リウマチになりやすい体質の人が過労やストレス、出産などがきっかけになって発病することも少なくないようです。女性に多いことから女性ホルモンが関与しているともいわれています。
いずれにせよ、慢性関節リウマチになる原因は一つだけではなく、複数の要因が複雑に重なり合って発病に至ります。

関節リウマチの一番の特徴は関節炎ですが、これは関節の滑膜という部分に起きる炎症(赤い部分)です。
滑膜の炎症が慢性化すると同時に滑膜が増殖し、まわりの軟骨や骨を少しずつ破壊していきます。
通常、早ければ発症から2年ほどで約60%の人がこのような関節症状びらんの進行がみられます。
さらに破壊が進むと、手の指や足の趾の関節に慢性関節リウマチ特有の変形が起こり、次第に関節が動かしにくくなり、日常生活にも支障があらわれます。


■リウマチの日常生活


リウマチ日常生活注意点 について

リウマチは、安静と運動のバランスが重要です。
安静には、全身症状が強いときの全身的な安静と、関節の炎症が激しいときの局所的安静、さらに、病気のことだけではなく生活全般のストレスをためないようにする精神的な安静があります。

リウマチ日常生活安静を保つには

全身的安静
発熱が続いたり、疲労感強いときは、決して無理をせずにベット横になって
安静を保ちましょう。

局部的安静
関節の炎症が強いときは、ギブスや頸椎カラーなどで固定する。
炎症が強くても関節にふたんをかけないようにしましょう。

精神的安静
仕事や家庭内のことなど、生活環境の悩みは早く解決して、ストレスを
ためないようにしましょう。

リウマチ目標にしたい「よい状態」
@「朝のこわばり」の時間が15分以下である。
A横にならないと我慢できないような疲労感がない。
B日常生活に支障をきたすよな関節の痛みがない。
C関節を圧迫したり動かしても、痛みがない。
D関節とその周辺が腫れていない。
E血液検査で赤沈値が少ない(女性は30o/時間以下男性は20o/時間以下)
6項目のうち、5つ以上2ヶ月間続いていれば「よい状態」です

リウマチを保護する日常生活の工夫
拭き掃除は利き手の方向から 手首の関節に炎症がある場合は、
外側への変形(尺側編位)を予防するために、テーブルを拭くときなど右利なら右(利き手順)から左へ。

荷物は手に下げない
買い物袋や重い手で持たず、ひじと手首の中間に下げて手首の負担を軽減する。
ショッピングカートを利用するのもおすすめです。

家事は椅子に腰かけて
股関節やひざ関節へのふたんを軽減するため、椅子に座って行うといいでしょう。
台所にも椅子を用意する。
蛇口を利用してタオルを絞る
タオルや雑巾を絞るときは、一方を輪にして水道の蛇口などにひっかけ、ゆっくりと両手で回す。
筆記用具には布を巻いて細かい筆や鉛筆は、布や紙を巻いて太くすると握りやすく、手首の関節への負担が少なくてすみます。
立ち上がるときは前腕全体を支えに 椅子から立つときは、テーブルなどに手のひらではなく前腕全体をのせて重心をかける。
ベットや敷布団は硬めのものをスプリングの甘いベットやフカフカの敷き布団は寝返りのたびに関節にふたんをかけます。
少々硬めのほうがよく、足は広げずまっすぐに伸ばして寝る。
衣類はボタンよりファスナー 手首の関節が痛むときは、ボタンやスナップ留めの衣類は避けて、ファスナータイプのものにするといいでしょう。
バスタブに椅子を置く 低い椅子を入れておき、それに座るようにすると姿勢も楽で、浴槽から出入りも容易になります。